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	<title>Buddhistlife.net &#187; タイ仏教</title>
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		<title>仏教にとって社会的活動とは何か</title>
		<link>http://buddhistlife.net/article/94</link>
		<comments>http://buddhistlife.net/article/94#comments</comments>
		<pubDate>Wed, 27 Jan 2010 08:31:56 +0000</pubDate>
		<dc:creator>松下 弓月</dc:creator>
				<category><![CDATA[テキスト]]></category>
		<category><![CDATA[がんばれ仏教]]></category>
		<category><![CDATA[エンゲージドブディズム]]></category>
		<category><![CDATA[タイ仏教]]></category>
		<category><![CDATA[プッタタート比丘]]></category>
		<category><![CDATA[仏教]]></category>
		<category><![CDATA[葬式仏教]]></category>

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		<description><![CDATA[机の上に溜まっていた資料などを整理していたら仏教タイムスの新年号を発見しました。中外日報とならぶ二大仏教新聞のひとつです。とりいそぎ片付けを中断して読んだところ、特集として2ページにわたって大々的に掲載されていた、自殺対 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>机の上に溜まっていた資料などを整理していたら仏教タイムスの新年号を発見しました。中外日報とならぶ二大仏教新聞のひとつです。とりいそぎ片付けを中断して読んだところ、特集として2ページにわたって大々的に掲載されていた、自殺対策や貧困問題といった社会的活動に携わる若手僧侶の座談会がなかなか興味深いものでした。宗教と社会的活動の関係はこのところ気になっていたテーマでもありますので、この記事をとっかかりに少し宗教にとって社会的な活動にどんな意味があるのか考えてみました。</p>
<h3>寺院と社会との距離感</h3>
<p>座談会に出席していたのは、浅草で生活困窮者に毎月二回炊き出しを行っている「ひとさじの会」、手紙による自殺対策活動に取り組む「自殺対策に取り組む僧侶の会」、そして巣鴨で高齢者のつながり作りのためお話の会を開催する「法話研鑽会」の四名の僧侶です。具体的な活動の内容とどんな反応があったのか、またなぜこうした活動を始めたを中心に話されていたのですが、実際の活動をしたなかで感じたという以下のようなお寺と社会の距離感は私自身も日ごろ感じているものでもありました。</p>
<p><span id="more-94"></span></p>
<blockquote><p>『一般の方々の僧侶への視線は、「葬儀や法事をやっているだけ」というものが非常に多くて、「相談なんか持ちかけてはいけないのではないか」と思っている方が大半のほうに思います。実際にご自坊にいらっしゃるご住職は、「いつでも相談を受ける」というスタンスかもしれませんが、お寺が”安心して悩める相談窓口だ”という認識は、すでに社会では失われているのではないでしょうか』<br />
「青年僧侶新春座談会　現世の苦に立ち上がる」『仏教タイムス』2010年1月1日、2381号、2−3頁。</p></blockquote>
<p>僧侶であることを明らかにしてネットにいるとたまに仏教に対する厳しい意見をぶつけられることがあるのですが、なかでもよく言われるのがこうした葬式仏教批判です。たとえば「僧侶の本当の仕事は社会貢献なのに葬儀や法事ばかりしている」とか。仏教の本分から外れてあまりに葬儀や法事ばかりしているという点では当たっている点もあると思いますが、それじゃあ何をすれば良いのかという部分でいささか見当違いの方向性に答えを見出しがちかと。ここで言われているようなお寺と社会との距離感が大きな原因でしょうが、普段関わっていないもののあるべき姿とかなにを根拠に答えを出すのかと。要望を伝えることと、相手のあるべき姿を考えることは別なわけですね。</p>
<h3>宗教にとって社会的活動は必然ではない</h3>
<p>そもそも宗教一般にとって、とくに仏教においても、社会的な活動を行うことは必ずしも選択されるべきこととは限りません。あくまで優先されるのは教義ですし、慈善活動をするために信仰をしているわけではないのです。信仰する教義に基づいて、その教義が目指すところを成し遂げるべく実践の方法も選択されるわけです。だから、炊き出しや悩み相談といった社会的な実践に携わることを選ぶ宗教もあれば、それを選ばない宗教もあるわけです。</p>
<p>仏教でも、もともと目指していたのは社会を捨て悟りのみを目指した修行生活に専心することでした。たとえばタイ仏教あり方を解説した『タイ仏教入門』では、仏教の僧侶が修行のためにつくる集団「サンガ」の目的は、あらゆる社会的なものごとから隔絶された環境を修行者に与えるためと書かれています。</p>
<blockquote><p>安定的生活の保証という、修行のための基礎的条件についで、サンガがその成因の利益のために確保するところのものは、世俗界から絶縁された超俗的環境である。サンガのなかに身をおく時、人は修行のさまたげとなるいっさいの人間的なきずなを絶ち切って、ひとり、自己とのみ対決することが可能となる。この意味において、サンガはきびしい外気をさえぎって冬季にも暖地の草木を開花結実させる「温室」に似ている。サンガの人は、俗界の存在を顧慮することなく、修行に全力を傾注することができる。そこは、世人の幸福と無縁な徹底した個人主義者がむしろ賞賛される社会である。俗界の事象に心奪われるものがさげすみを受ける世界である。われひとり浄しとする者がかえって尊敬を受ける稀有の場所である。<br />
石井米雄『タイ仏教入門』めこん、1991年、86頁。</p></blockquote>
<p>仏教では、苦しみが生まれるのはこの世界のあらゆるものは常に変化して永遠不変のものは何一つなににも関わらず、そのことに気付かず自分の思い通りにしたいと物事にとらわれる心からと考えます。だから、苦しみの原因となっている執着する心を解体していくために、世俗的な物事から切り離された環境に身をおくべきだという話になってくるわけですね。ですからサンガでは、修行の妨げになる俗世間に関わるすべてから距離をおいて、自分の修行だけに専念することが教義として正しいことなわけです。</p>
<h3>仏教の教義における社会活動の意味</h3>
<p>というわけで、宗教者が社会的な活動を行うならば教義的な裏付けが欠かせないわけですが、どうも社会からはもちろん宗教者の側からもこの点についてあまり明確な裏付けを行っているケースは少ないように思います。今回の記事でこうした点に触れられていたところを抜き出してみれば以下のような感じです。</p>
<blockquote><p>「貧困の現場には、牧師さんが圧倒的に多かった。救いを求めたときに牧師さんしかいないというこは、貧困の現場には宗教の選択肢がないということになります」<br />
「本来お寺は、交流の場所であり、炊き出しとか悩み相談、行政窓口の紹介も昔は全部やっていたんですよね」<br />
「青年僧侶新春座談会　現世の苦に立ち上がる」『仏教タイムス』同上</p></blockquote>
<p>宗教の選択肢を提供するというのは援助を理由に信仰を求められることがなくなるようにするという意味でも重要だと思うのですが、二つ目の「本来のお寺は云々」というのは最近お寺で毛色の変わった活動をするときに真っ先に上げられる理由付けではあるものの、伝統的なお寺が仏教本来のあり方とどの程度距離があったのかについて検証しないままではいささか理由付けとしては弱いように感じます。そもそも教義的にどうなのかという話が記事ではいっさい無いというところも含めて、僧侶自身も明確な根拠に基づいて実践することの重要性をあまり意識していないのではないでしょうか。</p>
<p>さきほど世俗から隔絶された環境で修行に専念することが大切としたタイ仏教では近年社会的な活動に携わることの重要性を説く仏教（エンゲージドブディズムと言います）が広まっているのですが、非常に保守的なタイ仏教界にあって180度異なる方向性を打ち出すにあたっては教義的にも明確な位置づけがされているようです。名古屋大学准教授で日本仏教の福祉活動ついて研究もしているランジャナ・ムコパディヤーヤは、エンゲージドブディズムの代表的指導者でありタイ仏教の革新運動に大きな影響を与えたプッタタート比丘の教義的な裏付けについて以下のように解説しています。</p>
<blockquote><p>プッタタートは資本主義とそれに結びついた自由主義的民主主義も、またマルクス主義・共産主義も、人間の物質的利益を心の開発に優先させることによって、民衆の自己統治、自己開発を妨げてしまうとして退け、仏法に基づいた共同型の「社会主義的民主主義」体制を提案した。プッタタートがいう仏法的社会主義とは、資本主義や共産主義が優先する特定の人々の利害ではなく、仏法に基づいて社会の利益を守る体制であり、共同体全体の反映と平和の実践を追求するというものである。この仏教共同体の理念は「縁起」、「報恩」「中道」などの教えに基づくものである。例えば、プッタタートは人間は自然や社会から様々な恩を受けながら生かされているので、それに報いることは人々の社会的義務であり、社会への恩返しすることで仏教が目指す無我に達することができるとしている。このように、プッタタートの仏教解釈においては人々の社会的義務・社会貢献活動に宗教的意味合いがつけられたのである。<br />
ランジャナ・ムコパディヤーヤ「社会参加仏教（エンゲイジド・ブディズム）ーアジア仏教徒の社会的行動そして日本仏教の可能性）『現代宗教2009』秋山書店、2009年、80−1頁。</p></blockquote>
<p>仏法的社会主義というのは仏教がほど国教となっているタイならではという点もあると思いますが、このように教義的な裏付けがなされてはじめてそれが正しいいかどうかについても議論ができるようになります。寺院と社会の間の関係はどのような形としてあるべきかを考える上でも、仏教の教義を社会的に位置づけていくことは大切なことです。</p>
<p>近年『がんばれ仏教』などのように外部からの「お寺を開くべき」という声に答えようとしてきた仏教界ですが、今後は教義に立ち返ってお寺のあり方やその実践方法についても検討し理論化して行くべきではないかと思うわけです。</p>
<h3>追記（2/9）</h3>
<p>その後、教義的にいかに裏付けするかという問題は戦前から解決されないままだというご指摘をいただきました。<a href="http://twitter.com/naagita">佐藤哲朗さん</a>のツイートを引用しておきます。</p>
<blockquote><p>木村泰賢「総じて仏教運動に欠けている大事な要素がある。即ちそれは思想的立脚地の確定し居らぬことである。換言すれば仏教運動と称しながら実は仏教思想をいかように体系づけ、之をいかように現代的に実現するかの根本方策を欠いて、（続く） <a rel="bookmark" href="http://twitter.com/naagita/status/8281040036"> 11:35 PM Jan 27th </a> from web</p>
<p>(承前）ただ漫然と仏教主義とか仏陀の精神に基づいてとかいうが如き表幟を以てすることである。」（『祖国　PATRIA ET SCIENTIA』創刊號　學苑社　S3.10.1）これ、戦前からの宿題です。シャンティ（旧SVA）のような実績から汲み取る必要も。 <a rel="bookmark" href="http://twitter.com/naagita/status/8281265564"> 11:41 PM Jan 27th </a> from web</p>
<p>タイでは社会参画仏教の理論化が国策の後押しで進んだし、スリランカやビルマでは反植民地運動の中で鍛えられました。日本は明治廃仏後の失地回復が優先で同時に色んな課題に対応しなければならないしんどさはあったと思います。拙著もご参照下さいw <a rel="bookmark" href="http://twitter.com/naagita/status/8304435795"> 10:54 AM Jan 28th </a> from <a rel="nofollow" href="http://www.atebits.com/">Tweetie</a> <a href="http://twitter.com/yuzuki_m/status/8303331594">in reply to yuzuki_m</a></p></blockquote>
<p>このあたりの歴史的な経緯を把握するためにも、佐藤さんの『大アジア思想活劇』を読んでおいたほうが良さそうです。積ん読したままになってるので、はやく読もう（すみません…）。</p>
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